広島土砂人災が提起する我々への課題

広島の土砂災害は、他人ごとではない。
このような危険地帯は、広島だけではない。
おそらく多くの人が、身震いを感じたことと思う。

日本列島は、山の周りに平地のある島国だ。
大雑把に推定しても関東平野など、大きな平野を除いた地形の
大部分は、今回の土砂災害のあった、ヒロシマ型地形だ。

テレビニュースでも報道していたが、このような地形では、
大雨が降れば、土砂が山のすそ野から平地に扇型に流出して、
いわゆる扇状地型になる、という。
したがって、山に近接した地形においては、ザックリ見ても、
その面積の約1/3は、土砂に埋まる形になると推定できる。

このような危険地帯に、国民の何パーセントが住んでいるのか?
ここで、大胆に推定してみよう。

政府統計の 1 総住宅数と総世帯数
によれば、三大都市圏以外における住宅数は、
全住宅の約47.7%。
このうち、政令指定都市などの比較的広い平野を持つ地域の
住宅数を20%と仮定すると、これを除いた山の周りの住宅数は、
全住宅の約27.7%、で約3割と見ることができる。

先の統計で全住宅数は、5759万戸だから、その3割は、
1727万戸となる。

それで、このうちの1/3が土砂に埋まるとすれば、

   1727 × 0.333 ≒ 575 万戸

つまり、575万戸が被災する可能性がある、ということになる。

今回の広島の土砂災害を見て、身震いを感じられた方の
総住宅戸数は約575万戸だということになる。

今回の激甚災害に対する支援策は、県は、すべて、広島市に
任せる形のなっているが、その広島市の支援策がこれまた
お粗末も甚だしい。

一例をあげると

① 見舞金として

 ・住家の全壊・流失世帯            30万円
 ・住家の半壊世帯               10万円
 ・住家の床上浸水                5万円など

② 融資に関すること

 災害援護資金

 療養に要する期間が概ね1か月以上の負傷をされた世帯主の方や
 住居の全壊、半壊又は家財の3分の1以上の損害を受けた方に
 対する貸付金

 ・貸付限度額(350万円)及び所得制限有り
 ・貸付利子 年3%

だが、これでは、支援ではなく、多大な負担増だ。

ここで、さかのぼって責任問題を明らかにしてみたい。

この災害を発生させた原因を冷静に見ると、このような危険地帯に
建築許可を出した行政にぶちあたる。
つまり、土砂災害ではなく、土砂人災ということになる。
この責任は、行政にあり、徹底的に追及されなければならない。

そしてこれでもうけたのは建築業界だ。

行政の責任として行政側は、先のようなゴマカシ支援策ではなく、
損害額全額を弁済すべきだ、ということになる。

さきの広島市の支援策は、責任逃れの欺瞞以外の何物でもない。
これに騙されてはいけない。

しかし、いまや、広島の被災者は、見捨てられたも同然だ。
預貯金のある方なら、まだしも、平均的国民なら、お手上げだろう。

身震いを感じられた方々も、同感だろう。

このような地形の土地には、二度と住みたいとは
思わない。

では、どうすれば良いか。

安全地帯への移住しかない。

そうなれば、どんなところでも、安全地帯に移住するとなれば、
土地・建物で最低でも2000万円は必要となる。

日本全国の土砂災害危険地帯に住む全住宅の安全地帯への
移住避難総費用は、どうなるか。
上記の推計住宅数から

   2000万円 × 575万戸 = 115兆円

となる。

実は、これ以外にも、海岸線に住む住宅も津波対策で移住が必要だ。

以上のことは、わが日本は、リニア新幹線や、東京オリンピックに
うつつを抜かすことのできるレベルではない、
ということを意味している。

日本のレベルは、きわめて危険なレベルにある、ということを
あらためて、再確認する必要がある。

我々の課題は、そのようなレベルを実際に引き上げることの
できる政治家を選び出すということだろう。

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