膨大な日銀当座預金の還流で、年収333万円アップ!!

これまでに、黒田日銀が、異次元の金融緩和と称して、民間金融機関の所有する国債を大量に買い込んだ結果、現在、日銀にある民間銀行の当座預金口座である日銀当座預金は、約545兆円もあることを説明して来ましたが、この膨大なお金は、日銀の中に眠ったままで、民間市場、つまり、国民の側には、いっさい出回っていません。

このため、これら大量のお金は、いっさい日本経済の役には立っていない、ということも説明してきました。

今回は、この日銀当座預金を国民の側に還流させるには、どうすれば良いのか、考えてみました。

黒田日銀が、10年間にわたって民間金融機関の保有する国債を買いまくってきた、ということは、何を意味するか、といえば、それは、民間金融機関の資産構成を、国債中心から、日銀当座預金中心への大転換を図った、ということになります。

国債を購入するには、日銀に口座を有する必要があり、政府と直接取引ができる条件を備えている必要があります。もちろん、個人でも国債は買えますが、その量は、ごくわずかな量に限定されています。大量の国債の取引は、日銀に口座を有する金融機関に限られます。

したがって、現在の、状況は、日本経済再生が喫緊の課題である現時点で見れば、きわめて好都合な日銀当座預金額の状況にある、と言えます。

日銀当座預金でしか、国債は購入できないので、政府が国債を発行しさえすれば、民間金融機関は、喜んで国債を買うことになります。

なぜなら、マイナス金利かゼロ金利程度しか付かない日銀当座預金口座にお金を置いておいても、何の足しにもならないので、民間金融機関としては、国債を購入した方が、安定資産でもあるし、利率的にも、よほど有利になるからです。

つまり、現在は、政府にとって、国債発行の絶好のチャンスでもあるのです。

失われた30年の回復のために、大胆に政府が年200兆円の国債を発行して、半分を民間企業に、残りの半分を国民への定額給付とした場合、どのような結果になるか、簡易B/Sによる資金循環のテーブルを作成したところ、表1の結果となりました。

備考欄に仕分けの内容を書いておきましたので、ご覧いただければご理解いただけると思います。

ちなみに、この定額給付金、年間100兆円は、国民一人当たり83万円となり、4人家族では年収が333万円上乗せ、となります。

年度末の日銀当座預金のレベルが570兆円と変化していないことから、この施策は、論理的には、永久に継続することができます。

裏金事件で、国会議員だけが、ぼろもうけしている時代には、国民大衆にふさわしい経済政策だと思いますが、みなさん、いかがでしょうか。

表1 年200兆円の国債を発行し、民間企業と国民定額給付に
それぞれ100兆円づつ配分した場合の簡易B/S(兆円)

プロセス 組織 借方 貸方 備考
スタート 政府 政府預金 25 国債 1100 政府預金:日本銀行政府預金
民間銀行等 日銀預金 570 日銀預金:日本銀行当座預金
国債 300
日本銀行 国債 581
年間 政府 政府預金 200 国債 200 政府国債発行、これを民間銀行等が購入して政府預金増
事業成果物 100 政府預金 100 事業実施後成果物取得と同時に代金支払いにより政府預金減
国民定額給付 100 政府預金 100 国民定額給付と同時に政府預金減
事業成果物 100 国債 200 国債が事業成果物と国民定額給付となった
国民定額給付 100
民間銀行 国債 200 日銀預金 200 国債購入、代金を日銀預金で支払うので減
日銀預金 100 普通預金
(民間企業)
100 政府事業実施後、政府による民間企業への代金支払いにより民間企業の普通預金増、そのための政府預金から日銀預金への振替による日銀預金の増
日銀預金 100 普通預金
(国民)
100 政府の国民への定額給付による国民の普通預金増、そのための政府預金から日銀預金への振替による日銀預金の増
国債 200 普通預金
(民間企業)
100 政府事業実施による民間銀行の普通預金増
普通預金
(国民)
100 政府の国民への定額給付による国民の普通預金増
民間企業 普通預金 100 売上 100 政府事業実施による売上で普通預金の増
国民 普通預金 100 政府からの定額給付による普通預金の増
年度末 政府 政府預金 25 国債 1300
事業成果物 100
国民定額給付 100
民間銀行 日銀預金 570 普通預金 200
国債 500
民間企業 普通預金 100 売上 100 政府事業実施による売上で普通預金の増
国民 普通預金 100 政府からの定額給付による普通預金の増
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