吉田元所長死去の記事が東京新聞にありました。
まずは、ご冥福をお祈り申し上げたいと思います。合掌!
この記事を読むと、やはり、日本社会の問題縮図が見えてきます。
記事の順に、問題点をあげると、
1) 事故後の最初の記者会見で、具体的な事故発生時の質問がなされた際に、
隣にいた細野豪志原発事故担当相が『政府の事故調の関係がある』と
吉田氏の答えを遮ったこと
2) 非常用冷却装置の実践的訓練が未実施だったこと
3) 事故の3年前に、想定以上の津波が福島原発を襲う可能性があるとの
警告が社内で出されていたにもかかわらず、これが幹部の検討の結果、
無視されていたこと
4) 政府事故調の吉田氏との4回におよぶ聴取記録が、いまだに非公開で
あること
の以上4点だと思います。
1)の細野氏の横やりは、今となれば、きわめて問題で、事故の真相が、
これで永遠に闇に葬り去られてしまったわけで、細野氏の責任は重大です。
2) 3) は、よく標語では『安全第一』とかいっていますが、
いまの企業の実態は、やはり、人命よりも『お金第一』であることを
示しています。
4)は、隠蔽体質、特に、都合の悪いことを隠蔽する、そして、これを追及しない
国民性。
以上のような問題が蔓延して、日本社会は、いよいよ、おかしくなってきたんだ、
と思いますが、吉田氏は、おそらく、各場面でいろいろ抵抗したのだと思います。
たとえば、最初で最後の記者会見の後で、細野氏に文句でも言ったんでしょう。
なぜなら、その3日後に食道がんで緊急入院なんて、何と考えてもおかしいです。
東電なら、こんなこと朝飯前だと思いますが、いかがでしょうか。
私は、もちろん、吉田氏とは、面識もありませんが、
吉田氏は、彼なりによく頑張ったんだと思います。
再度、ご冥福をお祈りいたします。合掌!