各県で、【人権条例】制定の動きが活発化している。
少子化による日本人の減少と、外国人の増加で、多文化共生が重要課題となりつつあるから、としている。
この視点には、重大な欠陥がある。
少子化は、国力の減退である、という視点が抜けている。
少子化の原因は、言わずと知れた、結婚・出産・教育できるだけの年収が、結婚適齢期の日本国民にない、ということだ。
図は、厚労省発表の平成21年度の所得金額階級別にみた世帯数の相対度数分布だ。
結婚可能年収は、400~500万円と言われているが、図から、その中間の450万円以下の世帯数比率は、51.5%とわかる。つまり、わが国の半分以上の世帯が、結婚できない年収しかもらっていない。これは、平成21年度の調査結果だが、わが国は、この30年間一貫して賃金低下を来しているので、現在では、その割合は、さらに大きくなっている。
これでは、わが国の少子化はさらにひどくなるばかりだ。それでいて、政府は、人件費の安い外国人移民にシフトしており、こうした【人権条例】制定に走る、という、国の行くべき道を完全に踏み外し、弱体化邁進だ。
本来目指すべき道は、外国人との共存のための【人権条例】ではなく、まずは【日本国力の回復】だ。
そのためには、わが日本人の年収を結婚・出産・教育可能な金額に大幅に引き上げることが最優先課題となる。
政府・財務省の【財源】の考え方を、【増税】から【国債発行】へと大転換して、国民の年収の大幅増に向かわせなければならない。
さいわい、黒田前日銀総裁が実施した【異次元の金融緩和】のおかげで、日本銀行には、民間銀行の資産として550兆円もの巨額な通貨が眠ったまま滞留している。
これを、日本経済に流し込めばいいだけの話だが、これを実施するのは、きわめて簡単だ。
政府が国債を発行して、民間銀行に売ればいいだけの話だ。
民間銀行は、利子のつかない現金550兆円を、日銀内の日銀当座預金に預けっぱなしにしているよりは、安全有利な日本国債に変えたほうが、利子も付き、はるかに有利なため、国債はすぐに完売される。
政府が、500兆円の国債を発行・売却すれば、すぐに民間銀行に完売され、その結果、政府は、巨額な財源500兆円を得ることが出来る。この財源を【日本国力の回復】のための各種政策に自由に使用可能となるし、直ちに実施しなければならない。【増税】は、一切不要だ。
わが国のGDPが現在550兆円規模だとすれば、日本経済というか、日本国復活・再生のための最重要課題であり、かつ、国民にしか出来ない【少子化】から【多子化】への大転換をはかるため、現在滞留している日銀当座預金550兆円のうち、500兆円を2年間で国民に支給する国民給付が不可欠と考える。
具体的には令和7年、8年それぞれで、
250兆円 ÷ 1億2000万人 = 208万円/人
つまり、国民一人当たり、208万円の国民給付を2年間実施する。
4人世帯だと2年間で
208 × 4 × 2 = 1664万円
と、1664万円の国民給付となる。
これだけ支給すれば、年収が、一気に上がり、結婚気運も高まり、少子化から多子化に大転換することも可能だと思う。
今述べた試算を1年間のスパンで整理すると、次のようになる。
① まず、民間銀行が、民間銀行保有の日銀当座預金250兆円で、政府発行の国債250兆円を購入する。その結果、民間銀行は、250兆円の国債を保有し、政府は、250兆円の財源を得ることとなる。
② この政府財源250兆円を、国民給付金として国民に支給し、国民の預金が潤うこととなる。
③ 国民に給付されたお金は、例えば、ある人が、トヨタの車を買えば、そのお金は、その人の預金から、トヨタの預金に移るが、民間銀行全体で見れば、預金額トータルでは変化はない。つまり、お金は、血液のように、社会を還流しながら、経済活動に役立ちながら、めぐりまわるが、1年後には、どこかの銀行預金となる。このため、海外旅行を除けば、民間銀行の日銀当座預金額は、政府から国民の手にわたって、社会を還流するが、いつの時点で見ても、民間銀行の日銀当座預金額トータルとして見れば、その金額は、ほぼ変わらない。
つまり、民間銀行が、国債購入のために支出した日銀当座預金250兆円は、結局は、めぐりめぐって、ふたたび、民間銀行の日銀当座預金に還流されて戻ってくるので、民間銀行トータルで見れば、日銀当座預金額は、250兆円で、変化なし、ということになる。したがって、民間銀行は、その戻ってきた250兆円で、ふたたび、250兆円の国債を買うことが出来る。
次に、政府が、1年間で、先の例の2倍の現行日銀当座預金残高、目いっぱいの500兆円の国債を発行・売却したとしても、同じことで、民間銀行は、現在保有の500兆円で、これを購入することが出来て、政府は、それで得た財源500兆円を全額国民給付に回すことも出来る。
そして、1年後には、この500兆円が、日銀当座預金に還流して戻るので、翌年には、ふたたび、政府が500兆円の国債を発行売却しても、民間銀行は、これを消化することが出来る。このため、政府はふたたび財源として500兆円を得ることが出来る。
このように、政府は、毎年、この財源で、国民給付なり、インフラ整備、特別養護老人ホーム建設など介護・福祉分野、農業分野など、幅広く日本社会に必要な政策の実行に、ふんだんに使えるということになる。
この政府の政策実行時に、税金は一切必要ないのだ。
結論として言えることは、原理的には、政府が、いくらでも国債を発行すれば、民間銀行は、これを購入し続けることが永遠に可能なので、政府は財源を簡単に得ることが出来る。すなわち、財源問題は、一切生じない、ということだ。
したがって、国債を発行・売却して財源を得る、というこの財政政策は、日本経済が完全に復活・再生するまで、何年も継続可能で、しかも、税金一切不要、という、国民にとっては、この上もなく明快で、すばらしい政策である、と言える。
財務省は、この明快な会計原則がわかっているのか、いないのか、わからないが、とにかく国民を痛みつける増税政策で、自分の出世・安泰な天下り先確保だけ、に生きがいを感じる異常な人種である、としか言いようがない。ただ、経済無知・テントリムシ・トウダイ法卒、であることだけは、間違いない。
もしも民間銀行の日銀当座預金額が少なくて、国債購入資金不足になるならば、日銀から借り入れれば済むだけの話だ。必ず年度末にはそのお金は、戻ってくるからだ。
さらに付け加えるならば、国債の満期現金償還(60年償還ルール)は、廃止し、先進諸外国同様、全額、借換債でつないでいくことにすれば、満期現金償還(返済)問題もなくなるばかりか、予算面でも、現金償還していた額(毎年16兆円程度)の分だけ余裕ができるため、消費税の廃止も可能となる、まさに万能だと、言える、すばらしい政策だ。
制限といえば、唯一、インフレ率を一定以下の上昇率に抑えることだけだ。