日本銀行が、コロナ対策として、
日銀が追加緩和、国債購入上限を撤廃
したとありますが、日銀が国債を無制限に買い取るときの、その資金は、何でしょうか?どこで手に入れたのでしょうか?
国が税金で集めたお金でしょうか?
いや、違います。
日本政府には通貨発行権があるので、その実行部隊である日本銀行は、通貨を新たに発行することが出来るのです。つまり、通貨の創造をすることが出来るので、無制限に買い取ることが出来るわけです。国債を買うために、金も必要なければ、税金も何も必要ないし、誰からも借金する必要もないのです。
日本銀行は、民間銀行の持つ国債を無制限に買い取ることが出来るわけです。
ここが、わたしどもの家計や一般企業と違うところです。
実際、アメリカの中央銀行にあたるFRBのバーナンキ議長は2009年3月12日のCBSテレビのインタビューで次のようにコメントしています。
CBS:FRBが国債購入にあたって支出しているのは、税金で集めたお金ですか?
バーナンキ:税金で集めたお金ではありません。あなたが、商業銀行に口座を持っているように、銀行はFRBに口座を持っています。だから、銀行に貸出をするために、私たちはコンピューターを使って、銀行がFRBに持っている口座の残高を書き換えているだけです。
中央銀行、すなわち日本銀行は、いとも簡単に、通貨を創造することが出来、この通貨を国債購入代金として民間銀行が日本銀行に持つ口座(日本銀行当座預金)に振り込むのです。
しかし、いくら、日本銀行が民間銀行の持っている国債を購入したとしても、それだけでは日本経済の役には立たないのです。なぜなら、日本銀行当座預金の額が上がるだけで、どこにも活用されていないからですし、いままでの日本銀行による国債購入で、民間銀行保有の国債がわずかとなっており、これ以上、日本銀行も買い取ることが出来ない袋小路にはまりつつあるのです。
したがって、肝心なことは、
① 新たな国債を政府が発行する
② これを、民間銀行が買い取る
③ これで、はじめて日本銀行当座預金に滞留していた通貨が、政府の手に流れ、日本経済活性化のために使うことが出来るようになる
のです。
しかし、国債は、無尽蔵に発行することは出来ません。
それは、適正なインフレ率の範囲内(2~3%程度)での発行に制限されます。
現在は、最悪のデフレの中にいるので、インフレ率2%程度までは、国債=通貨の発行ができるので、これにより得た通貨を、お金のない国民に配分できるし、しなければならないのです。
インフレ率が2%になるまで、どのくらいの国債=通貨が発行できる、いや、発行しなければならないのでしょうか?
現在の日本のGDPは、560兆円程度です。適正成長率を3%とすると、年増加GDPは
560×0.03=16.8兆円・・・・・①
また、現在のコロナ恐慌でGDPは2割落ち込むと予想されているので、そのGDP減少額は、
560×0.2=112兆円・・・・・・・②
よって、日本経済を正常な軌道に持っていくには、その合計額が必要で、
①+②=128.8兆円・・・・・・・・・③
つまり、簡単な計算では、およそ130兆円の国債=通貨が必要、ということになります。
最近、自民党の安藤裕議員などの皆さんが提言している100兆円の国債発行による日本経済の立て直しが必要、という主張は、正しいのですが、もう少し沢山必要になる、という感じです。
そして、その財源は、日本銀行が国債を制限なく買い取ると宣言しているので、全く心配ありません。
また、インフレ率も、2%程度が期待できるので、これも心配ありません。
一刻も早い大規模な第2次補正予算の成立が期待されるところです。