5月 1, 2019
池袋87歳暴走事故から浮かぶ危険性

つい先日、東池袋で87歳の運転したプリウスが重大な暴走事故を起こし、多数の死傷者を出した。

これについて、いろいろ論評がなされているが、その中に、車には異常はなかった、というのがある。
やはり、運転者の運転操作ミスが、大きな原因だとして、人的要因による事故として片付けられている感がする。

この『人的要因による事故』として、単純に見れば、刑事責任は別として、あとは、運転手の運転技量の問題で、場合によっては、免許証の取り消しなどの対策ということになるだろう。

しかし、私は、ここに大きな問題の見落としがあると思う。

私事で恐縮だが、私は、この事故の起こる数日前に、今乗っている車がだいぶ古くなったので、買い換えようかなと思い、ある国産メーカーの新車に試乗したことがある。

この時に私は、今の車は、電子化が進み、運転支援システムと称して、いたるところにディスプレイと操作ハンドルがついていて、その操作をマスターするだけで、こりゃ大変だな!と直感的に驚いた。

私の運転経歴は、現在まで、約50年以上、、都内をはじめ、どこでもひととおり運転をこなすことのできる自信はあるが、今回乗った新車についていた各種の運転支援電子システムは、私にとっては混乱をもたらす以外の何物でもない、と率直に感じた次第だ。

ディーラーの営業マンの方から、これらのシステム間には、相互に動作条件というものがあって、適切に操作しないと、正常に動作しないと、説明されたが、それは、そうだろうと思った。完全に自動運転システムが出来上がっていない以上、今の技術がいくら良くできているとはいえ、最後は、人間の行った操作によって、その運転結果は決まる。事故になるかならないかは、運転者の腕により決まる。

しかし、テレビなどで、車の宣伝を見ていると、≪この車の安全システムは、事故を起こしませんよ!≫ という感じのものが多く、これを購入したお客さんの多くが、どんな運転をしていても、最後は、安全に処理してくれるのだろう、と思ってしまっていたとしても無理はない、という危惧を感じさせるものが多い。

今回、東池袋で起きた事故も断定はできないが、事故の原因は、間違いなく

① 運転者の操作ミス

ではあるが、その操作ミスを起こした原因の中の大きな要因の一つとして、

② その車に搭載されていた各種の運転支援システムに対する運転者の理解不足による誤操作

があげられるかも知れない。

つまり、今のスマホではないが、あまりにも多くの機能を搭載されてしまったため、誤操作により、電話中の回線を誤って自ら切ってしまったような苦い経験と同様なことが、今回の事故当時も起きていたのではないか、と思う次第だ。

当時のドラレコの中に

妻 『どうしたの? 危ないじゃないの』
夫 『どうなっているのかわからないんだよ』

の趣旨の会話が残っていたようだが、複雑な運転支援電子システムの危険な存在が、この会話から浮かびあがってくる感じがするわけである。

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