国の借金問題は、メディアも含めて騒ぎ立てていますが、そのおかげで一般の方々も誤った考えで、消費税増税もやむなし、と財務省の路線に乗っかりつつあります。
ここで、過去のコメントなどを参考にして『国の借金問題』の整理をしてみたいと思いますが、結論を申し上げますと、まったく問題はないので、10月に予定されている消費税の10%への増税には、反対し、国を豊かにするために国債を大いに発行するよう運動しましょう。
項目 | 一般的な考え方 | その中の誤り部分 | 正しくは・・・ | その理由 |
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国債 | 国債とは、税金の前借り、すなわち、税金なのです。国は税金を国民から国債として前借して、公共事業や、国民の福祉にあてていますから、いずれ、国民はその支払いをしないといけません。 | ①国債とは、税金の前借り、すなわち、税金
②いずれ、国民はその支払いをしないといけません。 |
①国債売却で得たお金は税金ではなく金融機関からの借金で、その原資は国民の預貯金
②日本政府はいずれ国民に返済しなければならない。 |
①国債の債務者は日本政府
②国債の債権者は金融機関、その原資は国民の預貯金なので、国民は債権者 |
国債により充当した金銭は、いずれ、債権者に返さないといけません。打ち出の小づちはありません。 | ①国債により充当した金銭は、いずれ、債権者に返さないといけません。
②打ち出の小づちはありません。 |
①国債により充当した金銭は、回りまわって、家計の資産になる。
②打ち出の小づちはないが、日本政府には日本円という通貨の発行権がある。 ③政府の負債は、国民の資産(家計など)となる。 |
①国債売却で得た現金で政府は公共事業等に支出 → その現金は事業を請け負った企業に支払われる → さらにその企業の従業員に給与として支払われる。
②つまり政府の負債 → 国民の資産(家計など)へと移る ③国債を大いに発行してその資金を事業に生かせば国民の資産(家計を含む)は豊かになる。 |
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だれがその借金を返すのですか?医療や、介護や、年金の資金の一部は、国債を発行することによって賄っています。それは、国民が返すことになるしかないでしょう! | それは、国民が返すことになるしかないでしょう! | 政府が金融機関に返す、つまり国民に返すことになる | 日本政府には、日本円という通貨の発行権があるから、通貨を発行して返せばよい | |
財政破綻(デフォルト) | 日本の国債は、ほとんどは国内で、個人や、団体が購入していますから、仮にその価値が大幅に減少すれば、購入した人の多くが財産を失うことになります。 | 仮にその価値が大幅に減少すれば、購入した人の多くが財産を失うことになります。 | 通貨発行権のある国の国債がデフォルトになることはない | ①日本銀行のHP
②この2~3年、金融緩和で、毎年80兆円もの国債を日本銀行が買い取ったが、ハイパーインフレどころか、いまだに、インフレ率は目標の2%には、ほど遠い所にある。 ③日本の10年国債金利はH31/2末で、マイナス0.019% で、超安全商品! ④日本銀行は政府の子会社なので、政府の国債をすべて日本銀行が引き受ければ、政府の負債はゼロになる。なぜなら連結決算で債務と債権は相殺されるから。したがって、心配は何もない。 |
国が、国債を買い戻せなくなったら、どうなるでしょうか?ハイバーインフレになって、債券者は紙くず同様の国債を持ち、また、国債に充当している年金積立金は破たんし、国債を買い込んでいる銀行は破たんします。 | ①国が、国債を買い戻せなくなったら
②ハイバーインフレになって、債券者は紙くず同様の国債を持ち、また、国債に充当している年金積立金は破たんし、国債を買い込んでいる銀行は破たんします。 |
①通貨発行権で通貨を発行し返却可能
②ハイパーインフレとは、年間130倍のインフレで、ありえない |
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戦後、日本はハイバーインフレになり、ほとんど、お金が紙切れになりました。 | 戦後、日本はハイバーインフレになり、 | 敗戦後の日本のインフレ率は、10倍程度 | ||
もしも、ハイバーインフレか、デフォールトになったら、そこから、また、富の不平等が生じ、多く、中産階級は手ひどい目にあうでしょう | もしも、ハイバーインフレか、デフォールトになったら、そこから、また、富の不平等が生じ、 | ①国の破たんはありえない
②したがってここでの危機感は前項と同じ |
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国の破たんの被害は、おそらく中間層が、多く背負うことになるでしょう(財産のない約半数の国民には被害が少なく、富豪は財産を国外に移転しているので被害が少ないのですが、国内の中間層が多くの被害を蒙るのです。この破綻はいつやってくるか定かでありませんが、地震や津波よりも人為的ですから、確実性があるといえましょう。 | ①国の破たん | |||
国債と家計 | 国は毎年、90兆円くらいの予算を組んでいます。しかし、ほんとうの税収は、その半分くらいです。すなわち、年収500万円しか収入がないので、毎年400万円以上借金をして、家を作り、介護や、高齢者の生活に充てています。 | 国と家計の同一視 | 国と家計は本質的に違う | 国には、通貨発行権があるが、家計にはない |
この借金は、いずれ返さないといけません。家計が豊かになり、年収が、1500万円になったら、どんどん返してゆけるでしょう。 それでも、その間、利息を払わないといけません。年収が、1500万円になるメドはもちろん立ちません。 |
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返済予定のない借金はするものではありません。私は、死ぬ前に借金は返すつもりです。 | ||||
富の不平等 | まず、富の不平等がどのようになっているのか、公的債務をどのように解消するのか、そういう国民的、グローバルな議論が必要です。 | 富の不平等がどのようになっているのか、公的債務をどのように解消するのか、 | ①富の不平等と公的債務は無関係
②富の不平等解消には所得税の累進課税率を1982年体系に戻すこと |
所得税+住民税の最高税率(1982→2007):
93%→53%へ大幅に減税 |
EU・ユーロ圏問題 | ヨーロッパは、国よりも国家群になっていますので、アジアよりよっぽどましです | ヨーロッパは、国よりも国家群になっていますので、アジアよりよっぽどまし | ①ヨーロッパは、EU・ユーロ圏の縛りで、動きがとれずに大変!
②その点、日本は、独自の円で経済政策が打てるので、断然有利! ③英国の BREXIT もこの束縛からの解放を目指したもの ④他のユーロ諸国にも EXIT 伝播中 |
Wikipedia ユーロ圏 『批判』ノーベル賞経済学者ジェームズ・トービンは、ユーロ圏には金融政策・財政政策共に大きな欠陥があることを指摘する。 ユーロ圏の金融政策はECB主導で実施されるが、ECBは物価の安定のみを政策焦点とするために失業への対策が疎かになる。 また、ユーロ加盟国はマーストリヒト条約や安定・成長協定に従わなければならず、景気の良し悪しに関わらず各加盟国は財政赤字をGDPの3%以内に抑えなければならない。 このため各加盟国は不況の際に十分な拡張的財政政策を行うことができない。 ノーベル賞経済学者ジョセフ・スティグリッツはユーロを悲劇的な過ちと形容した。 その共通通貨は、政治統合も行わないまま、そして共通通貨が内包する本質的不備を熟考することもないまま始まった。 EU側の人々は、単一通貨USドルを使うアメリカ合衆国という世界第一位の経済大国の成功をみて、それを真似すべきだと述べていた。 ユーロという単一通貨(共通通貨とは異なる)は、アメリカが主導で導入したものである。 独自の金融政策がとれないために、危機に陥ったユーロ圏加盟国は自国通貨を減価させる事もできなければ政策金利を下げる事もできない。 拡張型財政政策も採れない。その結果として賃金低下と多くの失業が生じる。 そしてこの賃金低下は企業側を喜ばせるものであった。ユーロ自体が新自由主義的な構想だったことは十分に明らかとなっている。 |
ギリシャの破たんでは、キプロスがギリシャ国債を買って被害を蒙り、実はロシア人が、キプロスに財産を移していたので、被害にあった | ギリシャの破たんの原因について説明がないので残念 | ギリシャはEU・ユーロ圏の縛りで、国債発行権もなく、為替レート変動効果もなかったため、破たんした | EU側はギリシャ危機を利用して構造改革を強要した。 農業分野における改革としては、EU側はギリシャに対して新鮮なミルクの定義を変えるよう命じた。 以前は4日経過したミルクにはラベルがされる必要があった。 ドイツやオランダの酪農産業はミルクをギリシャを含めた欧州各国に輸出したいと考えている。 ミルクの輸出には時間がかかり、4日以上経過したミルクを新鮮なミルクでないとするギリシャの法律は ドイツやオランダの酪農産業にとって不都合だろう。 そしてドイツやオランダの輸出攻勢はギリシャの中小企業に痛手を追わせることになる。 この例からもユーロ圏では特定の団体だけにアドバンテージが与えられることがわかる。 |