1) 『護憲と叫んで平和がくると思ったら大間違いだ。
改憲の目的は国家の安定と安寧だ。』
この発言は、安倍総理の2013/4/23 参院予算委での憲法の平和主義を
真っ向から否定した問題発言
『憲法の前文に、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼してわれらの
安全と生存を保持しようと決意した」とあるが 、自分たち国民の安全・命を
他国の人たちの善意に委ねていいのか、このこと自体を疑問に思わない方が
おかしい、というのが私の考え方だ。』
(安倍首相の歴史認識迷走足跡一覧表)
と全く同じであり、戦争準備への極めて危険な思想だ。
以下に、憲法前文を再掲するが、この前文は、二度の大戦をはじめとする、
なげかわしい戦争の歴史に終止符を打つために、人類が果たすべき決意が
示されたものであり、これを見れば、上述の自民党指導者の考えは、
まさに、前文が否定する危険思想そのものであり、ナチスドイツの思想への
逆行以外の何物でもない、ということが、おわかりいただけると思う。
憲法前文
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、
われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、
わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって
再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、
ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。
そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は
国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は
国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、
かかる原理に基づくものである。われらは、これに反する一切の憲法、
法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な
理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に
信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと
努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。
われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに
生存する権利を有することを確認する。
われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視しては
ならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、
この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする
各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を
達成することを誓う。
2) 『ドイツのヒトラーは、民主主義により、きちんとした議会で多数を握って
出てきた。』『憲法の話を狂騒の中でやってほしくない。』
『「静かにやろうや」ということで、ワイマール憲法はいつの間にか変わって
いた。誰も気がつかない間に変わった。あの手口を学んだらどうか。』
① 早大水島教授の指摘
『ナチスは、国会議事堂放火事件を起こし、集会や結社の自由を停止、
国会を通さずに法律を制定でき、その法律は憲法に違反してもよいする
「全権委任法」を制定させ、ワイマール憲法を死文化させた。』
『このように、日本でも正規の改憲手続きを経ずに、憲法を事実上破棄する
手法を検討していると、欧州諸国では受け取られかねない。』
② 反ユダヤ活動監視団体サイモン・ウィーゼンタール・センターの非難声明
『一体、どのような手法が学ぶに値するというのか。民主主義をひそかに
機能不全にすることか。』
『ナチスが権力の座についたことで世界が奈落の底に突き落とされ、
人権が踏みにじられたことを副総理は忘れたのか』
東京新聞(2013/8/2)