憲法改正2/3条項の改正は必要か?・・・その2

現行憲法改正要件の三分の二というと、かなり厳しい条件のようにも聞こえるが、
では、いったい、この国会議員の三分の二の意見で反映される民意は、全有権者の
うちのどのくらいの割合になるのだろうか?

平成24年12月16日執行 衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査 速報結果
の全有権者数内訳(投票・無投票)から、憲法改正要件を満たす全有権者数に対する割合を
計算すると下表が得られる。

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これを見ると、

   現行2/3要件で、全有権者数の約4割。
   自民案の1/2(過半数)要件で、全有権者数の約3割。

つまり、現行でも、全民意の4割、自民案では、3割の意見だけしか
反映されない、ということがわかる。

逆に言うならば、自民案は、全民意の3割だけで、憲法『改正』を可能に
しようとする案
なのだ。

3割の意見で、国民の権利を守る最後の防波堤を破壊されては
たまったものではないが、実は、この『3割』には、ねらいがある。

先に示した平成24年12月16日執行 衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官
国民審査 速報結果
によると
自民の得票率は、対全有権者で見れば、

   小選挙区では、24.7%
   比例区では、わずか、16%

しかし、

   衆院議員総数(定数480名)のうちの、61.3%の294名獲得!!

と、わずか20%の得票率で61.3%の議席を得ることができたわけだが、
憲法『改正』要件を、この自民得票率の20%にできるだけ近づけたいのだ。
自民単独で、権力の思い通りの憲法『改正』をしまくりたいわけだ。

この20%の中身はもちろん、自民中心の富裕層とその腰ぎんちゃく連中だ。
若年層を含む貧困層の多くは、政治失望から政治不信となり、無投票だ。
この表の無投票率40.7%の大半は、そうした貧困層だ。
逆に言うならば、この無投票行動が、富裕層礼賛議員を多く生み出し
富裕層優遇策の環境づくりをさらに助長する結果となる。

2012衆院選が民意無視の結果となったのは、最高裁判決と小選挙区制の違憲性
で説明したように、憲法違反の小選挙区制という選挙制度にその原因が
あるわけだが、次期参院選では、無投票行動、すなわち棄権は、許されない。
棄権は、われわれ貧困層のくびをさらに締めることになる。

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