米国から見ると、安倍首相は、二枚舌の面従腹背と映るだろう。
『戦後レジュームからの脱却』などと言いながら、
第二次大戦後、米国を中心とした連合国が作成した
日本軍国主義撲滅のための日本国憲法を、
他国から強制的に押し付けられたものとして否定し、
わが国独自の憲法を作らなければならない、など、
戦前回帰的な動きから、戦後のサンフランシスコ講和条約に基く
平和体制を根底から覆す危険人物として映る。
敗戦当時の日本は、国体維持のことを第一に考える軍国主義権化の
政治家ばかりで、今で言う平和と民主主義の感覚をもった政治家は
皆無に等しかった。
したがって出されてきた憲法草案は、国体維持など、復古調主体で、
どのように日本を民主化していくべきかなのか、その内容はうわすべりの
ものでしかなかった。
日本を正しい道に引き戻すために、連合軍は、これを却下し、
西欧の幾多の血を流す長い歴史で培ってきた民主主義の原点に立った
立憲主義に基く平和憲法を提案し、これにより再教育の徹底をはかる
必要があると判断したわけである。
このおかげで、戦後日本は奇跡的な復興・繁栄を成し遂げた。
『集団的自衛権の行使』も危険要因のひとつだ。
米国の同盟国として精一杯やる、というところを表向き見せたいようだが、
米国から見れば、この『憲法否定』や、『侵略戦争否定』、『靖国参拝』
などなどから、安倍首相は、『昔(軍国主義時代)の日本よ、今一度!!』
と映るのだろう。
そういえば、安倍首相の寝言のひとつに『美しい日本を取り戻そう!』と
いうくだりがあったが、その本心は、ここにある。
好戦的な安倍首相は、ただちに引き摺り下ろす以外に
わが国の平和を守り、国際評価の低下を食い止める手立てはない。