総選挙が近づきつつあるが、わが国各政党の綱領は、野田、橋下などなど、
いずれも、抽象的で具体性がない。幼稚で低レベル・子供だましだ。
オバマ米民主党綱領を見るにつけ、その感を深くする。
軸足が明確だ。
① 中間所得層の減税・支援
② 富裕層や大企業への課税強化による財政再建
わが国は、まったく逆だ。
消費税増税という大衆課税による財政再建
中間所得層支援など雰囲気のカケラもない。
まさに富裕層や大企業の手先だから言えない。
構造改革論でごまかすのみだ。
この①②は、米国だけではなく、貧富格差拡大の日欧各国にも喫緊の
共通政治課題だ。仏のオランド大統領は、富裕層の所得税最高税率を
現行41%から75%に引き上げる、と決定した。この75%は、日本でも
昭和50年代には、採用していたのだが、現在は40%に半減だ。
オバマには、敵(共和党)に『やつは、社会主義者だ』と言わせる軸足が
ある。彼には信念がある。ミシェル夫人がいみじくも応援演説したように、
『国民の苦しみや希望、夢が夫を突き動かしているのを日々見ている』
また、医療保険改革や中間所得層の減税は、オバマ氏の政治的主張では
なく、個人的信念だ、という。
オバマ氏にとっての成功は『いくら稼ぐかではなく、人々の暮らしを
どう変えるかだ』と説明した。
東京新聞(2012/9/5)