今日のニュースから

1 某紙社説:補正予算の審議 膨張に歯止めの視点なく

政府の経済対策を裏付ける2025年度補正予算案が衆院を通過した。今国会で成立する見通しだ。

一般会計の歳出が18兆3034億円に上る大型の補正となる。歳入の6割超を国債の追加発行で賄う。
積極財政を持論とする高市早苗首相の政権スタートにあたって前政権を上回る規模の補正をーといった声が自民党に広がる中、必要性を吟味する間もなく膨れ上がった予算である。

厳しい財政状況を考えると、国会は当然、効果やリスクを厳しく追及しなければならない。だが、衆院では結局、議論が十分に尽くされないまま可決された。
深まらない要因の一つは、実態から目をそらすかのような高市首相の答弁姿勢にある。
「規模ありきだったのでは」との指摘に対して「必要な施策を積み上げた結果」と主張。財政悪化への懸念などを背景に長期金利の上昇と円安が進む市場動向については、「適時適切に対応を取る」との説明にとどまった。

大型の財政出動には、需要を増やしインフレを助長してしまう可能性もある。そんな逆効果に関する言及もほとんどなかった。

財政拡大を強く志向する首相の発想の根底にあるのは、国の借金は将来の経済成長によって返していけるという楽観論である。
答弁では、「緊縮で先細るのはよくない」と強調し、経済成長により「債務残高の対GDP比を引き下げていく」と繰り返した。

成長の重要性に異存はない。だが、財政を考える際に忘れてならないのは、成長が想定通りに進むとは限らないという現実だ。リスクを踏まえると、財政破綻を防ぐため、国債発行などに歯止めをかけていく必要がある。

高市政権は、これまでの政権が掲げた基礎的財政収支の黒字化目標を変える方針を示している。ならば、今後どんな考えに基づいて財政赤字を制御していくのか。野党はそうした点を意識し、もっと厳しく追及すべきだ。

衆院の採決で野党は、国民民主党と公明党が賛成に回った。
国民民主は、ガソリン税暫定税率の年内廃止など看板製作の実現を踏まえたという。同党は、協力と引き換えに与党から譲歩を得て「政策を実現した」と有権者にアピールする手法を重ねている。
公明の賛成も、子供への2万円給付など党の要望が入ったのが理由という。自党の都合ばかりで大局に目を向けないようでは、政党としての責任が問われる。

2 問題点満載

1 18兆円の補正予算が『大きすぎるという感覚麻痺』

五公五民の話のとおり、今や、我が国は、疲弊しきった状態にある。しかし、さらに増税・社会保険料増の動きにある。世の中、とくに国民大衆には、通貨が圧倒的に不足している。

あげれば、きりがないが、100兆円補正でも足りない。

2 政府としてまず第一に考えるべきは、【厳しい財政状況を考えると・・・】ではなく【厳しい国民生活を考えると・・・】ではないか

見るべきポイントが、全くズレている、としか言いようがない。これが、【トウダイ法卒】・アメリカ留学まみれの官僚主導政府の実態だ。財政状況は全く問題ない。単なる【オオカミ少年】だ。

【規模ありき】というが、規模が小さすぎて、まったく【焼け石に水】だ。国民生活復活には、程遠い。

3 高市の限界

財政拡大を強く志向する首相の発想の根底にあるのは、国の借金は将来の経済成長によって返していけるという楽観論である。

やはり、高市も、国債は、やがては返済していく必要があると、考えているようだ。これが、高市の限界だ。

真実のところ、国の借金、正確には、政府の国債は、一切返済無用だ。これが、真実・真理だ。

現に先進5カ国全員、国債は、全額借り替え債で運用している。諸外国の債務管理制度参照(第1表 国債の償還)

国家の通貨発行権が正常に作動している日本国において、どう、狂ったのか、トウダイ法卒の経済オンチは、バカ正直に家計簿方式で国債は満期時全額返済だ、と【60年償還ルール】を、コト細かく設定して償還を実施している。

この国債償還は、日本だけが実施しているが、問題は、こうして、税金で満期国債の償還を実施していくと、国富を定期的に削減していくため、ジリ貧に限りなく近づいて行く、ということだ。

高市は、国債の償還は不要、ということに気が付かなければならない

4 基礎的財政収支の黒字化目標について

本社説も、財務省の方針を踏襲している。この黒字化目標は、税収の範囲内に歳出を抑え込む、というとんでもない貧困化政策なのだ。

国債の発行は、通貨の新規供給であり、経済発展の原動力だ。これを抑え込んで、日本が復活するわけがない。

本社説では、高市政権も、【黒字化目標】を変える方針を示しているとして、『ならば、今後どんな考えに基づいて財政赤字を制御していくのか』と問題提起している。

【財政赤字を制御していく】という考え方が、間違っている。見るべき指標は、健全なインフレ率だが、そもそも、【財政赤字が悪】だという原点から間違っている。

簡単な複式簿記で、この間違いを証明しよう。

プロセス機関借方貸方
①政府が国債を発行して、民間銀行に売却。その結果、政府財源が入金し、民間銀行資産が減る政府政府財源・入金国債発行・売却
民間銀行国債収納(購入)日銀当座預金・出金
②政府が財政出動する。その際、財政出動資金を民間銀行の資産に政府財源から振り込む。と同時に民間銀行に対して、政府支払い対象の国民・民間企業の普通預金口座に政府支払い代金を増額記帳するよう指示政府政府事業実施
(国民給付金支給)
(道路工事などインフラ事業)
政府財源・出金
民間銀行日銀当座預金・入金普通預金・増額記帳
(国民・民間企業)
国民・民間企業普通預金・増額記帳
(国民・民間企業)

以上から、明らかなように政府の借金【国債発行・売却】で得た政府財源は、巡り巡って、国民・民間企業の黒字資産。すなわち、【普通預金・増額記帳】となるため、【政府の財政赤字】は、国民・民間企業の黒字資産ということになる。

つまり、【政府の財政赤字は善】なのだ。政府はこれまでウソをついてきていた、ということだ。

5 【大局に目を向けないようでは、政党としての責任が問われる。】 

これは、言い換えたほうがよかろう。

大局に目を向けないようでは、メディアとしての責任が問われる。

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