日本政府は、2016年度の国の税収見通しについて、
当初見積もりより1兆9000億円少ない55兆7000億円程度に
下方修正する方針を固めた。
16年度税収、1.9兆円下振れ=7年ぶり前年割れ、
赤字国債増発へ-政府
政府は5日、2016年度の国の税収見通しを当初見積もりより1兆9000億円少ない55兆7000億円程度に下方修正する方針を固めた。円高による法人税収の落ち込みが主因。税収が前年度実績(15年度は56兆2854億円)を下回るのはリーマン・ショックの影響を受けた09年度以来、7年ぶり。
政府は近く編成する16年度第3次補正予算案で赤字国債を追加発行し、財源不足を補うことを検討する。
安倍晋三首相が12年末に第2次政権を発足させて以降、初めて税収が前年度実績を割り込む事態となる。首相は経済政策「アベノミクス」の下、景気回復に伴う税収増を頼みに毎年補正予算を組むなど積極的な財政政策を展開してきた。16年度税収の伸び悩みは、今後の経済財政運営に影響するだけでなく、アベノミクスの失敗として野党からも追及されそうだ。
税収の下振れは、年度前半の円高による企業収益の低迷で、法人税収が減ることが主因。16年度の税収減は、17年度の税収見通しや予算編成にも影響を与える。17年度予算案は一般会計総額が97兆円規模と過去最大になる見通しで、税収が伸び悩めば、新規国債発行額が当初予算ベースで7年ぶりに増加する可能性がある。(2016/12/05-23:46)
ここで、円高による税収減となった、1.9兆円は、一見金額的に高額に見えるが、
一般的に、為替変動による損失程度は、経済成長で吸収すると見るのが
常識なので、この1.9兆円という金額がGDPから見ると、どの程度の規模なのか、
昨年のGDP530兆円から計算してみる。その結果は、
1.9/530 = 0.36%
となる。
つまり、GDPを、+0.36%以上、成長させれば、円高による税収減は、回避できたわけだ。
したがって、アベノミクスは、この程度の大変わずかな経済成長(GDPの成長)すら、
実現することもできなかった、ということになって、アベノミクスの大失敗を露呈することに
なったというわけだ。
アベノミクス大失敗の原因を作った財務省も、財政政策の無策を
意識的に回避して、
赤字国債発行 → 財政収支の悪化 → 消費税増税
という亡国悪循環政策にさらに拍車をかけることになる。