最高所得税率引き上げ認めず 仏憲法会議、政権に打撃
日経2012/12/29 23:34更新
【再掲】
【ロンドン=共同】フランスの法律などが憲法に違反していないかを
審査する憲法会議は29日、政府が2013年1月から導入する方針だった
最高所得税率の75%への引き上げを違憲と判断し、却下した。
ロイター通信などが伝えた。
税の公平性の原則に反することが理由。最高税率は年収100万ユーロ
(約1億1千万円)以上の高所得者が対象だが、夫婦ともに100万ユー ロ
近い所得がある場合、片方だけに所得があり100万ユーロを超える世帯よりも、
世帯年収が高いのに税負担が軽くなる可能性がある点を問題視した。
エロー首相は29日、憲法会議の指摘を受け、税率引き上げ法案を再提出する
意向を示した。75%という水準自体を憲法会議が否定したわけではないため、
最高税率は堅持するとみられる。
先進国の中で突出して高い75%への最高所得税率引き上げは、17年ぶりの
社会党大統領としてオランド氏が掲げた看板政策の一つ。制度の不備を指摘され、
予定通りの導入ができなくなったことで、政権には打撃となりそうだ。
審査は保守系野党が申し立てていた。増税は年3億~5億ユーロ程度の
税収増をもたらすと試算される一方、高い税負担を嫌う富裕層の国外流出を
招くとの批判がある。
【再掲終わり】
この中の『税の公平性の原則に反すること』を解消するには、世帯全体に対する
規定を盛り込めば解決すると思われる。
75%の水準自体の否定ではないようなので実質的には、この線で行くと考えられる。
富裕層の国外移転については、単に租税回避のためだけであり、その他もろもろの
要因を考えれば、そう簡単に実現できるものではないと考えるので、あまり心配する
必要はないだろう。