米朝核戦争の危機が迫っているが、お互いに核戦争を起こしたくはないと思っていることは確実だと思われるが、一方、『俺の方が強いのだ』 とお互いに言うあまり、偶発的戦争が起こる可能性は、ないとは言えない状況にある。つまり一触即発の状況だ。
ここで、『対話』 の重要性が出てくるわけだが、日米側が主張する 『対話』 の基本には、今となっては重大な誤りがあるということを指摘したい。
簡潔に言えば、現時点での日米側の 『対話』 の基本は、
『北朝鮮は、非核化をするための対話に応じなさい』
という事になるが、これは、いわば、『丸腰になるための対話に応じなさい』 、つまり、『丸腰になって出てこい』 と言ってるのと同じだ。
これでは、北朝鮮は、のまないだろう。
イラクのフセインや、リビアのカダフィのように核戦力を持たなかった指導者の末路を見ている独裁者金正恩には通じない。
この悲劇を回避するために、核・ミサイルの軍事力をここまで作り上げた段階で、すべてを廃棄し、丸腰になって出てこい、と言っても、応じるわけがない。金正恩は、みずからの体制の安泰が保障されるのであればそれでいいと思っているのだ。
したがって、やむを得ないが、今となっては、対話の基本は、『非核化』 ではなく、『相互不可侵』 でなければならない。
これが、わが日本国が平和に生き延びる道への唯一の 『真に必要な対話』 だ。
『非核化』 は、10年前の段階の話だ。
それが、いまだに、『非核化』 を基本にしているため、『真に必要な対話』 は遠のき、戦争に突入する可能性が、日増しに強まっている。
刻一刻と、ワシントン・ニューヨークに到達する核ミサイルの完成が近づいており、これに、トランプ大統領が、いつまで我慢できるかだ。トランプ大統領は、その完成以前に本件を解決したいのだが、金正恩が 『対話』 に応じなければ、『壊滅』作戦しかない、と真剣に考えているからだ。
また、わが安倍首相も、トランプ大統領に足並みそろえており、ブレーキにはならない。トランプ大統領のアメリカ第一主義から、『壊滅』作戦の実施により、日本が核攻撃の犠牲を受けたとしても、トランプ大統領は、イラクの空爆犠牲同様 『やむを得なかった』 とあきらめるだけだ。日本の犠牲は、痛くもかゆくもない。
日本の中近東化を回避するために、安倍首相に、必要なのは、制裁という圧力ではなく、『相互不可侵』 すなわち、お互いに侵略しない、という約束を結ぶための対話 が重要なのだという事を認識させ、みずから金正恩とトランプ大統領に積極的に働きかけるのは、『今でしょ!!』 と、要請しなければならない。