本日(2014/8/16)、日経新聞より、
が掲載されましたが、これに対して、三橋貴明氏のメルマガで
反論が出ましたので、以下、再掲しますので、ご覧下さい。
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『国の借金最大、6月末1039兆円に
www.nikkei.com/article/DGXLASDF08010_Y4A800C1EE8000/
財務省は8日、国債や借入金、政府短期証券をあわせた「国の借金」の残高が6月末時点で1039兆4132億円となり、過去最大を更新したと発表した。国の借金は昨年6月末に1000兆円を超え、推計では借金の総額は14年度末には1143兆円に到達する。
今年7月1日時点の総務省の人口推計(1億2710万人)をもとに単純計算すると、国民1人当たりの借金は約818万円。3月末から約12万円増えた。
3月末時点から6月末時点にかけて借金は14兆4563億円増えた。その前の3カ月の増え幅(7兆110億円)に比べて拡大した。東京電力を支援している原子力損害賠償支援機構に交付する国債の残高が3兆5429億円増えたことなどが影響した。
残高の内訳は国債が10兆1243億円増の863兆8880億円。一時的な資金不足を補う政府短期証券が5兆2201億円増え、120兆9085億円となった。』
すでに1000回くらい突っ込んでいる気がしますが、
「国の借金1039兆円に! 国民一人当たり約818万円の借金!」
というレトリックは、最初から最後まで間違いです。
まず、「国の借金」という言葉が変。国の借金と聞くと、日本国民は「日本国の借金」とイメージしてしまいます(そう思わせるために「国の借金」という言葉を使っている)。とはいえ、国債、財融債、国庫短期証券(政府短期証券)は国の借金ではありません。
正しい意味における「国の借金」は、我が国の対外負債ですが、2013年末時点で500兆円あります。もっとも、我が国は対外資産が820兆円に達しています。
「外国に貸している金が820兆円、外国から借りている金が500兆円」
というわけで、我が国は320兆円の対外純資産状態にあるわけです。
そして、この320兆円という対外純資産は「世界最大」です。日本国は「国家」として見た場合、世界一のお金持ち国家なのです。
その「世界一のお金持ち国家」において、「政府」が借りているのが財務省(やマスコミ)のいう「国の借金」です。英語では、government debt と言います。直訳すると「政府の負債」です。日本銀行の統計では、「政府の負債」です。
そりゃまあ、「政府の負債」なので、当たり前なのですが、これが財務省に言わせると「国の借金」になります。
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「国の借金」も、政府の負債について「日本国民の借金」であるという嘘を国民の頭に植え付けることに成功しています。新聞が「国民1人当たりの借金は約818万円」などと書くわけですから、尚更です。
実際には、「いわゆる国の借金」とは、政府の負債であり、国民は債務者ではなく「債権者」です。何しろ、日本国民の金融資産(預金、保険、年金など)が政府に貸し付けられて運用されているわけです。それにも関わらず、国民は「いわゆる国の借金」という言葉に騙され、債務者としての罪悪感を持たされてしまいます。結果、財務省の増税路線や緊縮政策に逆らえないどころか、むしろ積極的に賛成してしまうという不気味な状況がすでに二十年続いています。
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【2013年末時点 日本国債所有者別内訳(総額:828.7兆円)】
members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_47.html#Kokusai
現実には、独自通貨国で、中央銀行が国債を買い取ると「政府の負債」がチャラになってしまう国において、財政破綻などあり得ません。ところが、いわゆる国の借金問題に縛られ、緊縮財政が継続し、国民が貧困化し、インフラが老朽化し、防災、防衛といった安全保障が脅かされ、土木、建設、医療、介護といった業界の賃金を上げられず、人手不足となり、外国移民の受け入れが推進され、さらに混合診療などの間違った構造改革が推進されているのが日本国なのです。
とにもかくにも、この「いわゆる国の借金問題」のウソを国民が認識し、政治家を動かさなければ、日本経済の諸問題のほとんどは解決しません。
先方(財務省)は三か月に一度、新聞を使いキャンペーンを展開してきますので、こちらは数を打ちまくるしかないのです(わたくしは講演のたびに上記の話をしています)。皆様のご支援、ご協力を切望致します。
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以上、三橋氏の再掲ですが、このポイントを一言でいえば
『「国民1人当たりの借金は約818万円」は、全くのウソで、
正確には、
「国民一人当たりが政府に貸し付けている資産は約818万円」』
ということになるようですが、いかがでしょうか。