東京新聞に、秘密保護法案に対する警鐘社説が掲載された。
よくまとまっていたので、以下に要約させていただいた。
米国との比較もあったので、参考サイトの要点も一部記載しましたが、
スノーデン問題など、機密情報漏えいで騒がれている米国とくらべても
安倍内閣の出した特定秘密保護法案は、問題だらけだ。
まさに、東京新聞の指摘通り、戦前復古思想そのものだ。
これでは、さらに、近隣諸国ばかりではなく米国との関係悪化も避けられないだろう。
以下、東京新聞 社説(2013/10/23) 要約
『戦前を取り戻す』 のか
特定秘密保護法案
1.厳罰規定
- 公務員: 最高懲役 10年
- 公務員を威嚇し、一般情報も公開されにくくなる
- 何が秘密であるかも秘密
- あらゆる情報について隠ぺい力学が働く
- 戦前の情報統制復活
- 国会議員:最高懲役 5年
2.特段の秘匿を要する『特定秘密』の指定方法
- 行政機関の『長』が担う
- その妥当性のチェック機関がない
- 『有識者会議』で秘密指定の際の統一基準は、示す
- が、個別案件の審査はない
- つまり、監視役不在で、野放図
3.秘密保持期間等
- 永久が可能
- ただし、30年を超える時には、理由を示して内閣承認が必要
したがって、承認があれば、永久が可能 - 防衛秘密は、公文書管理法の適用除外のため、国民に知らされることなく、
大量に廃棄されている
4.特定秘密の指定対象
- 防衛
- 外交
- 特定有害活動の防止
- テロリズムの防止
- 施行機関
- 自衛隊の機密保全隊
- 公安警察
5.『特定有害活動』 とは何か?
- 条文にはスパイ活動ばかりか、『その他の活動』あり
- 『政治上その他の主義主張に基づき、国家もしくは他人にこれを強要』する
活動も含まれると解される - さまざまな市民活動、反原発運動も対象となりうる
6.『知る権利』 も明記されるが・・・
- これも、国民に教えない特定機密ばかりだから、名ばかりだ
7.『取材の自由』 も
- 『不当な方法でない限り』 との制限付きなので、政府がひた隠す情報を
探るのは容易でなくなる - そそのかしだけで罰する法律のもとでは、従来の取材手法さえ、『不当』 の
烙印を押されかねない
8.公務員への適正評価と呼ぶ身辺調査
- 飲酒の節度や借金など細かな事項におよぶ
- 親族ばかりか、省庁と契約した民間業者側にもおよぶ
- これは、危険で、国民監視・プライバシー侵害・憲法違反
9.国会議員も最高懲役 5年
- 特定秘密を知った国会議員は、それが大問題であっても、国会追及できない
- 国権の最高機関たる国会を無視するに等しい
10.官僚による情報支配の横行
- 国民の自由や人権の侵害
- 公安警察や、情報保全隊が国民の思想や行動に広く目を光らせる
(さながら、北朝鮮だ) - 国民主権・民主主義原理の否定
- まさに、『戦前を取り戻す』 発想
11.アメリカ 米国における電子情報自由法の成立と利用
- 随時、秘密解除の規定あり
- 1966年、情報公開を促す 『情報自由法』 制定
- 一定の情報については、市民からの請求を受けるまでもなく
政府が進んで公開すること義務付ける 『自動的公開原則』 が原則 - つまり、『原則公開』・『例外非公開』
- 記録を非公開にする場合は、その理由を行政機関が証明しない限り
非公開にならない - つまり、非公開の証明責任は行政側にある
- 一定の情報については、市民からの請求を受けるまでもなく
- 機密解除は、10年未満
- 上限の25年に達すると、自動的にオープン
- 大統領でも 『大統領記録法』 で個人的な記録やメール、資料、メモ類が
記録され、その後は、公文書管理下におかれる - 機密指定の段階で、行政機関の 『長』 は説明義務を課される
機密指定が疑わしいと、行政内部で異議申し立てが奨励され、
外部機関への通報権利もある - 機密は、『保護』 から 『緩和』 への動きにある