会社は、正規社員(人件費)として雇用するか、派遣社員(経費)として雇用するか、そのどちらが、税務署に支払う消費税を安く出来る、つまり、どちらが得か、考えてみよう。
簡単のために、収入は、売上のみ、支出は、経費と人件費のみとし、利益は、売上から経費と人件費を差し引いたもの、とした時の、消費税がどうなるのか調べてみよう。
ここで、売上:u 経費:k 人件費:j 利益:r とすると、会社が支払うべき消費税:S は、売上の10%から、経費の課税仕入れ等に係る消費税額(仕入控除税額)を控除した額(国税庁 No.6451 仕入税額控除の対象となるもの)なので、
S = 0.1 u – 0.1 k ・・・・・・・・・・・①
一方、売上 u は、
u = k + j + r …・・・・・・・・・・・・②
だから、②式を①式に代入すると、消費税 S は、
S = 0.1 (k + j + r) – 0.1k
= 0.1(j + r) ・・・・・・・・・・・③
となる。
したがって、会社としては、j、つまり、人件費たる給料を出来るだけ下げることが、節税につながるとともに、さらに、これを人材派遣会社からの派遣社員に変えれば、派遣会社に支払った税金が、まるまる戻ってくるので、節税がダブルで効いてくる形となる。
これは、先に引用した、国税庁のNo.6451の解説にも
加工賃や人材派遣料のように事業者が行う労働やサービスの提供の対価には消費税が課税されます。したがって、加工賃や人材派遣料、警備や清掃などを外部に委託している場合の委託料などは課税仕入れとなります。
とあるので、人材派遣料で支払った消費税は、控除対象(仕入控除税額)となるので、まるまる戻ってくるからです。