国会原発事故調報告の原点

国会事故調は、今回の、福島原発事故を『人災』と断定したが、
これについては、得心できない部分がある。

『人災』のストーリーはこうだ。

『安全対策をうまくやっていれば、事故は防げたはずだ。
この安全対策を怠っていたから、事故は起きた。
だから、人災だ。』

『したがって、安全対策さえ、しっかりやれば、原発は安全。』

『いま、止まっている原発の再稼動も安全対策をすれば問題ない。』

という結論に結びつく。

実際に、事故調の報告書もこのストーリーに乗って書かれている。
『あのとき、こうしておけば、事故は防げたはずだ』といったくだりが多すぎる。
ちゃんと安全対策を打っていれば、事故は防げた、というのだ。

この報告は、再稼動への伏線をしいたものとも言える。

この「『人災』断定は、おかしい」と、今朝のTBS森本毅郎スタンバイの
中で、オザワリョウコさんも噛み付いたが、時間切れで、十分その理由は
語られなかったが、以上の内容かも知れない。

朝日新聞によれば、この事故調のメンバーは、自民党の元官房長官だった
塩崎氏が選定
したようだ。委員長の黒川氏は、安倍・福田両内閣の特別顧問
していたそうで、いわば、原発推進共犯者の一人だ。

私の考えは、われわれ人類が制御できない猛毒物質を使うという技術は、
欠陥技術であるため、このような技術は使うべきではない、
という考えだ。

水で冷さなければ、正常運転ができない、ということは、水冷の自動車
エンジンでもいえることで、問題はないが、この水冷が出来なくなった
場合に、どうなるのか、ということが、実は問題なのだ。

自動車の場合は、エンジンがオーバーヒートして壊れて止まるだけで、
他に被害を及ぼすことはない。

しかし、原発の場合、核分裂反応が継続し、高温化によりメルトダウンした
燃料が格納容器の下で、一定量以上集まると再臨界に達し、さらに急激な熱量の
発生で、これまでにない激しい爆発を起こし、チェルノブイリのように、
容器内の大量の核物質を外部に撒き散らす
ことになる。

大切なことは、このプロセスの中で、われわれ人類が、この核分裂反応を一切
コントロールすることが出来ない、
ということなのだ。いわば悪魔の自己増殖過程を
見るだけで、一切手を出すことが出来ない、放射能地獄へと無理やり引きずり
込まれる。

そして、日本列島ばかりか、全世界が人類の住めなくなる環境となる。
その影響は、計り知れないものがあるからだ。

簡潔に言えば、人類が制御・コントロールできない悪魔の半永久的に持続する
自己増殖過程を内在するシステムでは、いかなる安全対策も原理的に意味を
なさない、
ということだ。

半永久的に持続する悪魔のシステムは、自然現象として片時も休まず
増殖活動を継続するが、これを防護しようとする人間側の努力に半永久的持続を
期待することは、原理的に無理がある
からだ。簡単に言えば、いつか、ほころびが
出てくるからだ。

したがって、コントロールできない物質を使うシステムは原理的に欠陥システムで
あり、実用化すべきではないのだが、原発システムは、まさに巨大な虚偽・・・
それもカネの力による意識的虚偽宣伝により実現した人類技術史上最悪の
技術だった
のである。

以上から、 本報告のよって立つ原点は、「うまく使えば安全」という
『原発性善説』であり、われわれ脱原発の考える『原発性悪説』とは、
その原点において、決定的に異なっている点は、肝に銘じておく必要がある。

最後に、本日の朝日新聞記事の中で最も印象的だった現場技術者の声を記す。

『「津波が来るから逃げろ」と東電社員は言わなかった。高台へ
行くよう誘導したのは私たちだ。もう少し津波が早かったら、
数千人が流されていた

この最後の文を読んだとき、身の毛もよだつ思いがした。
想定外の津波が来たら、作業員は流され、すべての対策は、
まさに水の泡と帰し、日本列島は、地獄と化していたのではないかと・・・

自然の力を甘く見てはいけない、と。

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