豪雨被災地のみなさんへ

福岡県朝倉市のみなさんをはじめ、全国の豪雨被災地のみなさんは、集中豪雨のたびに、避難指示・勧告に振り回され、もはや、落ち着いた生活がおくれていないのではないかと思います。

豪雨被害の原因は、時間雨量の多さにあるわけですが、近年の地球温暖化による天候異変により、年々降雨量が増加してきているため、みなさんは、しょうがないことだとあきらめている方が多いのではないかと思います。

しかし、よく考えて見れば、地球温暖化にともなう天候異変は、あと戻りの出来ない現象であることから、この降雨量の増加傾向は、今後とも、留まることなく、長く続いていくと予想される現象であるわけです。

気象庁が、『過去に例を見ない集中豪雨が発生した』 と、よく言うので、私たちは、『今度だけだろう、今後は起こらないだろう』 と一安心して、未来に希望を託すことが多いのですが、ちょっと待ってください。

この 『過去に例を見ない集中豪雨』 は、これまでの継続的な地球温暖化の進展による天候異変の結果、起きたものである以上、来年は、あと戻りしない天候異変は、さらに悪化すると考えられるため、今年の『過去に例を見ない集中豪雨』 は、最低限、必ず再び起きる、と考えるのがごく自然だと思うのですが、いかがでしょうか?

正確に言えば、天候異変がさらに悪化する以上、来年の集中豪雨は、今回起きた 『過去に例を見ない集中豪雨』  を上回る集中豪雨になると考えるべきかも知れません。

したがって、集中豪雨対策も、単に 『避難勧告・指示』 を出すだけでは、住民生活が破壊されるとともに、物理的にも家屋が豪雨に押し流される危険にさらされることになるわけです。

真の集中豪雨対策は、昔から言われている、『治山・治水対策』 です。堤防・橋梁・道路の整備や落石対策、山間部のダム建設などがきわめて大切な対策になるわけです。大切なことは、『過去に例を見ない集中豪雨』 が起きても、河川の決壊だとか、山崩れは防がなければならない、ということです。

今回の被災原因の多くは、堤防の決壊、山崩れ、でした。これらを防ぐには、国の力に頼る以外にありません。具体的には、公共工事を起こして、対策工事を大幅に進めなければ、私たちの安全な生活は保障されません。

地球温暖化にともない、天候異変がますます進行している現在、公共工事は、ますます必須な工事になっており、国の予算も年々増額していかなければならないのです。

ところが、この公共工事の国の予算が、毎年削減され続けてきたことを、ご存知でしょうか。1996年に、50兆円あった公共工事が、2016年には25兆円へとまさに半減してしまっているのです。

これは、自民党の橋本政権から始まった緊縮財政の結果です。財政収支の赤字をなくす、という一点に目標を定めた結果、必要な公共工事も、どんどんカットしてきた結果です。

しかし、現実の社会は、前述の地球温暖化に伴う天候異変ばかりではなく、過去の高度成長時代に作った高速道路や橋梁、堤防、一般道路などが老朽化して今にも崩壊しそうな設備が大半、という危険な状況になっています。

ところが財務省は、財政収支の赤字ゼロという、数字上の目標だけを達成したいがために、膨大な国民生活を犠牲にしてきております。

財政法4条からすれば、このような道路や橋梁・堤防などは、公共構造物であるため、建設国債を発行すればいくらでも予算は組めるわけで、この部分は、財政収支の成績から除外してカウントすればいいだけの話なのです。

仮に、建設国債を入れてみても、最近の日銀の大幅な金融緩和政策により、国債の保有者内訳で、40%が日銀の保有となっています。

つまり、国の借金が1000兆円をこえた、大変だ、と財務省はうそぶいていますが、日銀は政府の子会社ですから、全体で見れば、1000兆円の60%しか負債はないのです。しかも、その60%も、国民の預金なのです。つまり、国民が、政府にお金を貸しているのです。

『国民一人当たりの借金は、833万円(1000兆円/1億2000万人)、孫子の世代にまで負担をさせるのは問題』

と財務省は、国民を不安に陥れていますが、これは大嘘です。正確には

『国民一人当たりの債権(つまり国に対して請求できる財産権)は、833万円なので、孫子の世代は、大安心』

というのが真実です。

ですから、公共工事の予算は、堂々と政府に要求できるし、国民生活の安全確保の観点からも、むしろ強力に要望しなければならないのです。

みなさんの町の、村の、どこが集中豪雨に弱いのか、は、役場の土木担当部門の現場技術者が把握されていると思います。

彼らに聞いてみて下さい。 おそらく回答は、

① 弱点については、ほとんど正確にすべてを把握しているが、

② 予算要求時点で、ほとんど大半が落とされてしまっている

ということになると思います。

つまり、現場の土木担当者は、どこを、どうなおせばいいのかは知っているが、予算がないのでできない、というのが本音でしょう。

以上から、結論は、財務省の、『財政収支均衡という成績至上主義』 を撤回させ、建設国債の発行を促進させ、国民生活の安全上必要な公共工事は、断固推進させるという固い決意のもとに、1996年レベルの予算は最低限の線として復活するよう働きかけを行い、発展途上国化しつつあるわが国土を再生させなければ、私たちの明日の健全な生活は保障されない、ということになります。

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