財務省『消費税引き上げの理由』のデマ!

来年4月に8%、さらに再来年の2015年10月に、10%に上げるという 消費税。
財務省は、そのホームページで『消費税引き上げの理由』を以下のように 説く。
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消費税引き上げの理由

Q:なぜ所得税や法人税ではなく、消費税の引上げを行うのでしょうか?

A:ご質問にお答えいたします。

今後、少子高齢化により、現役世代が急なスピードで減っていく一方で、 高齢者は増えていきます。社会保険料など、現役世代の負担が既に年々 高まりつつある中で、社会保障財源のために所得税や法人税の引上げを 行えば、一層現役世代に負担が集中することとなります。特定の者に 負担が集中せず、高齢者を含めて国民全体で広く負担する消費税が、 高齢化社会における社会保障の財源にふさわしいと考えられます。

また、ここ10年くらいで見ると、所得税や法人税の税収は不景気のときに 減少していますが、消費税は毎年10兆円程度(注)の税収が続いており、 税収が経済動向に左右されにくく安定した税と言えます。
図1税収の推移(財務省)————————————————————-

これを何も考えずに読むと、普通の人なら、

『あ、そうか、やはり消費税しかないのか』

とあきらめムードに誘導するきわめて問題なデマ文なのだ。

デマ1:『所得税や法人税の税収は不景気のときに減少しています』

財務省の作った図1を見ると、91年~93年を景気後退期として、
この時期に所得税が急激に減少し、この傾向は、現在に至っている。
これを見ると、『なるほど、景気後退期だから、税収も減ったのか』と
納得してしまいそうになるが、オットドッコイ!

次の図2をご覧いただきたい。
図2 日本の名目GDP・税収・最高税率の推移これは、縦棒グラフがわが日本の名目GDPの推移だ。
この中で、財務省の言う『景気後退期』なる91年~93年を見ると、
名目GDPは、476、488、491兆円と、この3年間で3.2%の順調な
伸びを示しており、『景気後退』など、どこにもない。

 

マクロ経済学の原理・原則 : 『税収と名目GDPは比例する』から、
『GDPが伸びている限り、税収減は、起こりえない』のである。
したがって、図2で見ると、1997年までは、名目GDPは、順調に
伸びているため、1997年までは、税収も順調に伸びることになるはずである。

ところが、同じ図2にでもそうだが、財務省の図1を見ると、税収は、
1989年以降、長期低落傾向に陥っている。

名目GDPが伸びているにもかかわらず、税収が減少する、という現象が
起こる原因は、ただ一つだ。

そう、税制が変わった、ということ以外にない。単純明快!!

図2を、再度、よく見ると、あるではないか、茶色の折れ線が、それだ。
年間所得8000万円以上の高額所得者の最高税率が、1982年の93%から
2000年代には、約半分の50%にまで下がっている。
さすがに下げすぎた
と見えて、2007年以降、53%に若干引き上げている。

この富裕層の大幅減税が、あったため、税収が大きく落ち込んできたわけだ。
図2は、この茶色の折れ線が、税収を抑え込んでいる姿を、実によく
表している。

つまり、『景気後退』は、財務省が作り上げたデッチアゲであることが
これでわかった。

ここで、示した最高税率の引き下げとは、『富の適切な再配分』を実現する
累進課税制 の骨抜きの一端であるが、では、具体的に、この庶民の味方で
ある累進課税制が、どのように骨抜き改悪されてきたのかを、端的にあらわし
図3をご覧いただきたい。

図3所得税+住民税(累進税率)の1982年・現行比較図3は、1982年当時と現行の累進税率体系を比較したものだ。
これを見ると、82年当時は、8000万円:93%まで、きめ細かに、累進税率、
つまり、所得が高くなるほど、税率を高くする税率を設定して、徴収し、
税収源の重要部分を担っていたのだが、現行では、1000万円以上の税率を
大幅に引き下げるとともに、1800万円以上は、53%定率として、超富裕層
の税収源を大幅にカットしてしまったわけだ。これが、税収減の最大の
原因だったわけである。

さらに、この累進課税体系が全体的にどのように変遷してきたのか、
とくに、高額所得層を中心とした累進体系骨抜きの実態を、よりイメージ
しやすくするために、3D棒グラフで表してみたのが、図4だ。
図4 所得税+住民税累進税率の変遷
これを見ると、8000万円:93%から、徐々に切り下げられて、ついには、
1800万円:53%まで、ジリジリと累進税制を骨抜きにしてきた強欲政治家の
腹が目に見えるようだ。

この図4のエッセンスを取り出した図が次の図5だ。
図5累進課税制の骨抜き領域拡大と最高税率低減

この図で、さらに重要なポイントは、赤マークの消費税導入だ。

このグラフは、富裕層大減税によって生ずる税収減を、一般大衆課税で
ある消費税に鞍替えしようとしている姿を表している。

つまり、富裕層レベルの累進税率撤廃を、消費税導入により乗り切ろう
したわけであり、消費税が、富裕層優遇対策として計画的に導入された
何よりの証拠だ、
と言える。

ところが、富裕層大減税の額が、あまりにも膨大な額であったため、
当初の消費税3%では、減収分を補いきれずに、97年には、5%に引き上げ
たが、それでも補いきれずに、今また、さらに引き上げようとしているわけだ。

ところで、我が国の家計資産は、1500兆円もある、とよく言われるが、
どうしてそんなにあるのか。われわれの実感覚では、ピンと来ない。

この富裕層大減税分が、そっくりそのまま、家計資産化したのか?
という疑問が、当然起こってくるわけだ。

そこで、試算をしてみた。

① 1983年末家計資産:508兆円
② 1984年~2013年までの、1980年税率で計算した場合の税収と
実際の変遷税率で計算した場合の税収の差分の累計:946兆円

したがって、

① + ② = 1454 兆円

つまり、1500兆円のほとんどは、富裕層が大減税の恩恵に浴して
溜め込んだ資産だった
のだ。
富裕層溜め込みのための消費税を隠れ蓑にした大減税により
税収が、急激に落ち込んで行った、というわけだ。

したがって、結論としは、

『消費税増税ではなく、本来の姿、すなわち、1980年当時の姿に
戻して、いままで未払いだった分をお返ししていただこう』

ということが正解となる。

デマ2:『所得税や法人税の引上げを行えば、一層現役世代に負担が
集中する』

これまで説明してきたことから、このデマ2もご理解いただけると思うが、
税収減収の原因の大半が、図3の1000万円以上の富裕層の大減税
であったことから、この富裕層領域の税率を元に戻せば、つまり、
1982年当時の税率に戻せば、税収は大きく回復
する。

ここで、1000万円以上の世帯とは、全世帯の何割くらいになるのか?
厚労省の所得分布 図6)によれば、全世帯の約1割にすぎない。
図6所得分布
つまり、全世帯の9割は、現状のまま増税なしで、1割の超富裕層の
皆さんだけ、1982年当時の税率にすれば、大増収になる
わけだ。

さきほど計算した差分をプラスした推定増収をグラフにしたのが、
図2緑色の折れ線グラフだ。

これを見れば、『財政赤字』など、いっぺんに解決することがわかる。

しかも、現役世代の9割には、無傷で、大増収がはかれるのだから、
デマ2は、やはりデマだったのだ。

 

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