鹿児島補選結果が暗示する日本民族の未来

副題 : 『今なお続く日本人の高度成長・平和ボケ後遺症』

今回の鹿児島補選の結果を見て、つくづく思う。

相変わらず安泰な自民党にまかせておけばよくなるだろう、
という、はかない期待感・昔の夢よもう一度!が見て取れる。
結果がどうであれ、いざという決断のときに、後遺症が現れる。

日本人の大半は、いまなお、高度成長時代の遺産の上にどっかりと
腰を下ろしてしまっている。
その土台が崩れかかっているにもかかわらず。

平和ボケにしてもそうだ。先人が築き上げてきた平和に対する
理解がまるでない。

たとえば、田中首相がこぎつけた日中共同声明にしてもそうだ。

当時から尖閣諸島問題はあったが、これを日中双方、お互いに
妥協して、棚上げとして共同声明を締結したのだが、何も知らない
石原慎太郎が騒ぎ立て、その口車に乗った野田が国有化して
しまったのが、今の日中冷戦の始まりだ。

その後、安倍に変わったが、安倍は国粋主義者で、侵略戦争
否定論や、慰安婦問題で、日韓関係も含めてさらに悪化させていった。

発端は、石原が、寝た子を起こすような余計なことをしたことだが、
大半の日本人は、これを忘れて、安倍の中国脅威論に踊らされている。

民主党政権の鳩山に始まった菅・野田、そして自民安倍と、
この10年間の日本の歴史的後退の実態を最も理解していないのが、
他ならぬ日本国民だろう。

全世界は、この日本の後退・変節ぶりを脅威の念をもって見守る。
わが日本人は、この事実に、まず、気が付かなければならない。

『憲法第九条のノーベル平和賞候補』の動きは、
『日本人よ目を覚ませ!』という全世界人民の意識の表れだ。

第二次大戦後の、アジア特に東アジアの繁栄が、日本の平和的努力の
賜物であったことはあらためて認識する必要がある。

今、安倍首相が目指そうとしている、『積極的平和外交』は、これまでの
日本の平和路線を大転換して、

① 東アジアに緊張を作り出し
② これを口実とした集団的自衛権による軍備増強をはかる

その真の狙いは、軍備増強による独占資本の金儲けにある。

しかし、この火遊びは、たんなる遊びでは終わらず、日中・日韓間に、
緊張をもたらし、一触即発の事態を招く、かなり危険な事態に入りつつ
あるということも認識しなければならない。

特に、集団的自衛権をふりかざして参戦する以上、相手国も宣戦布告国
に対する正当防衛として日本本土を堂々と攻撃対象とすることが
できることになる。そこにはもはや憲法第九条はない。
日本人は安穏としてはいられない。
朝の連ドラではないが、徴兵・防空壕生活が待つ世界となる。
いや、限定的核兵器でいちころかも知れない。

オバマ米国もこれを懸念しており、東アジア諸国は、話し合いにより
友好関係を維持・発展させなければならない、としている。

仮に、東アジアで、小島をめぐって、紛争が生じても、日本が、
痛い目に会うまでは、米国は手を出さないで見守る。
日本国民が目覚めるまで待つ、だろう。

しかし、後遺症にどっぷりつかった、別の言い方をすれば、
いい思いをしてきた国民は、そう簡単に目覚めることはない。
目の前に最悪な事態・焼野原となるところまでいかないと、
気が付かない民族に堕落してしまったのかもしれない。

いや、そうではない。これは、一度いい思いをした民族が、
いずれは辿らなければならない運命の道だと歴史が教える
ところだが、いずれにしても、なげかわしいかぎりだ。

これを回避するには、やはり、歴史を全国民が学びなおす以外に
ないだろう。

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