1票の格差是正どころではない

1票の格差是正が違憲状態にあると騒がれているが、問題の本質は、そこではない。小選挙区制にある。

 2009年の衆院選でも、見事に立証されているが、投票総数の約半分が死票となっているが、この死票の有効化が何よりも重要な課題だ。

具体的に言うと、投票総数7058万票のうち、当選者以外の候補に投じられた票は3270万票だったが、驚くなかれ、これがすべて死票なのだ。この3270万票の民意は、全く何にも反映されていないからだ。実に死票率は3270万票/7058万票 = 46・3%。 半分の票が死票、つまり無効票となった。

小選挙区制 という選挙制度は、1選挙区で1人しか当選できない制度で、当選者以外に投票した票、すなわち、議席に結びつかなかった票は、すべて死票または、無効票となる制度だ。したがって、この制度のもとでは、約半分の票が死票になる。しかもさらに問題なのは、複数の立候補がある場合に、わずかな得票でも、もちろん、過半数の得票でなくても、トップでありさえすれば、当選するという点だ。この場合の死票率は、70~80%にもなる。つまり、わずか20~30%の得票だけでも、トップでありさえすれば当選で、残りの70~80%の票は、すべて無効票となるのだ。

 小選挙区制は、1890年、軍国主義時代に導入されたもので、民意の一部のみ反映し、他をすべて無視する独裁色の濃い選挙制度で、声の大きいやつが勝つ制度とも言える。これこそ、まさに違憲制度なのだ。この小選挙区制が、原発問題の本質も隠蔽し、日本をダメ国家にしてしまった。

 死票をゼロにして最も民意を忠実に反映する制度は,比例代表制だ。これは、得票数に応じて当選者数を決めるもので、少数意見も反映され、死票はない。

直ちに実施すべきことは、小選挙区制を全廃し、すべて比例代表制にすることだ。

民主党の樽床幹事長代理は、この問題の本質を隠蔽し、1票の格差是正を、議員定数削減、しかも、最も民意を反映する比例代表制の定数削減というきわめて反動的な改悪に、悪用しようとしている。

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