マスコミ経済評論家:『借金大国論』の過ち

本日(2015/7/12)の信濃毎日新聞に掲載された 『ギリシャ債務危機 日本は』
(ニッセイ基礎研究所専務理事 櫨 浩一(はじ・こういち)氏)の最後の部分で

結局は国民の負担

ギリシャ政府の甘い見通しに懸けた国民の先行きが心配になるが、われわれの足元も極めて危うい。
「人のふり見てわがふり直せ」ということわざがもあるが、日本はどうだろうか。日本国債の多くが
国内で保有されているため、「ギリシャとは違う」という楽観的な見解もあるが、筆者は、将来巨額の
政府負債を返済するにせよ帳消しするにせよ、結局国民の中の誰かの負担になると考える。』

と過ちを書いている。
過ちの部分は、

『結局国民の中の誰かの負担になると考える』

というところだ。これを検証するには、

『日本政府は、誰からお金を借り、誰に返すのか?』 という質問に答えることだ。

氏は、この最も大切な点をはっきり理解できていないか、誤解されているようだ。

ズバリ言えば、日本国債保有者の95%以上は、日本の金融機関と年金基金などの政府機関だ。
そして、その原資は、日本国民の預貯金とか、社会保険料だ。

したがって、先の質問の正解は、

『日本政府が銀行などの金融機関や政府機関を経由し、日本国民からお金を借り、
日本国民に返済する義務を負う。』

となる。

つまり、氏の論法は、まるっきり逆の結論に国民を誘導しており、
財務省の『1000兆円借金大国』論から、消費税増税必然論に導くものと同じであり、
決して容認できるものではない。
この手の悪質な経済評論が巷にあふれているため、あえて警告する次第である。

蛇足ながら、この後で、よく言われる次のフレーズ

『国民一人当たりの借金は、〇百万円』

も間違いで、正解は、

『国民一人当たりの政府に対する債権は、〇百万円』

になる。

参考までに、氏の略歴を見ると、

東大理学部卒、旧経済企画庁からニッセイ基礎研究所

とあるので、経済、特に国民経済の基礎がおろそかになっていたのではないかと
考えられる。

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